『美貌格差:生まれつき不平等の経済学』

「美形であると得をする」ことは感覚的にはみんな知っている。
本書は、美形とその周りの経済活動に関するデータを集め、経済学として取り扱う。美形のお得度を数字化した初めての本。

そもそも経済学とは

経済学は希少性の学問であり、希少性が呼び起こすインセンティブを研究するのが経済学だ。
美貌を希少で取引可能なものとして扱っている。
つまり、美しさという人間の重要な特徴に関わる交換と価値に対する一貫した捉え方だ。


容姿を経済学で取り扱うということは、
美しい=希少=みんなが欲しがる=価値が上がる=需要がある
需要曲線と供給曲線の交わりで成り立つ市場価格と同じ扱いである。


美形はブサイクより生涯収入が多い

前提条件

  • 美形かどうかの判断は好みもあるがある程度は共通である。
  • 美形かどうかの判断は1から5の評価。
  • 美形 = 評価が4~5。ブサイク = 評価が1~2。

男女ともに美形の方が稼いでいる額が多い。美形の方が得をすることは感覚的になんとなく理解している人は多いと思うが、実際にデータを取ると年収という形で明らかに差が出ている。そして驚きなのは、男性の方が容姿が収入に大きな影響を与えるということだ。

ではなぜ美形の方が収入が多くなるのか。

この疑問には自分がお客さんになった時のことを考えると理解できる。
例えば、レストランで料理を運んできたウェイトレスさんがとても美形だったら得をした気分になるだろう。お客の満足度が上がるということは、お店の売り上げに繋がる。それが美形のウェイトレスさんの業績だとわかれば、そのまま収入アップに繋がるだろう。

つまり、美形はブサイクよりも周りに価値を与える存在であるため、稼ぎやすいということである。

では、美形になれるように美容や服、または整形にお金をつぎ込めば良いのか。
美形になって稼ぎやすくなることを目的とするのなら正しい方法ではない。残念なことに、化粧品や服にお金をつぎ込んでも、5段階評価の3から5にはなれない。
つまり、美容にお金を使うのは投資としては失敗である。


ブサイクはどうすれば良いのか、本書にて