『努力する人間になってはいけない』

本書は哲学書というよりも教育者としての著者から学生に向けてのメッセージ集である。
学生のうちに是非一度読んでおきたい。

努力する"だけ"の人間になってはいけない

企業や組織の中で活躍することのできる人材とは、どんな人材か

一つ目は、怠け者だけれど目標を達成する人
二つ目は、がんばり屋で目標を達成する人
三つ目は、がんばり屋で目標を達成できない人
四つ目は、怠け者で目標を達成できない人

三つ目の人が最も有害な人材である。
企業や組織の中では、結果を出すことが一番重要なのに、三つ目の人は努力していることを最重要視してしまっている。
かける時間をできるだけ少なく、儲けはできるだけ多くするのが生産性が高いということなのに、努力することに力を入れてしまって結果を出せなかったら本末転倒である。

三つ目の人が目標を達成するために必要なことは、さらに頑張ることではない。やり方を変えることである。

本書は企業や組織内での人材についての話だったが、自分一人の中でも同じことが言える。
つまり、短時間、少ないリソースでいかに結果を出すかである。

しかし、常に一つ目の「怠け者だけれど目標を達成する」ことは難しい。
一人の人間の中で必要なのは、「怠けつつも結果を出す」「頑張って結果を出す」「怠けて休む」の三つの方法を、あらゆる状況に合わせてうまく使い分けられることが結果への一番の近道だと思う。
ここで大切なのは四つ目の「怠けて目標を達成できない」ことも、大きな目標達成のためには必要であることだ。人間は頑張り続けていたらパンクしてしまうので、自発的に怠けて上手く休む必要がある。

そして反対に、「頑張っても結果を出せない」人が一番生きづらい。
自分の方法が間違っていることを素直に認め、今の方法で努力するのではなく、方法を改善する努力をするべきである。

<努力する>の反対語が<考える>

考えるヒントがたくさん詰まっている